4年に1度の「スポーツのお祭り」オリンピックが終わって約1週間…
熱闘な甲子園の時期と重なったこともあって、とくに熱心にオリンピックを見たというわけではないのですが、女子柔道、女子レスリング、女子ソフトetc.「女子」ばっかりが思い返される気がします。
でも、「オリンピック」は、まだ終わっていませんね。
もうひとつの「オリンピック」であるパラリンピックが、2008/9/6-9/17の日程で開催されますよ。
報道量はオリンピックに比べてグッと落ちるでしょうが、身体に「障がい」を持ちながらも精一杯競技を行う選手の方々に、日本からエールを送りたいです。
今回と次回は、北京パラリンピック開催を記念して、身体に何らかの「障がい」をもちつつも、混乱の時代に輝きを放った人物から3人をピックアップして改めて光を当てたく思います。
☆★
艾★☆
魏で農政、軍事に亘り抜群の才能を見せつけた傑物のひとりです。
蜀の皇帝・
劉禅を降伏させ、
蜀を滅亡させた人物でもあります。
そんな彼は、言語障がいの一種である「
吃音症」だったといわれています。
吃音の症状は若い頃から出ており、昇進の妨げとなったこともありました。
しかし、彼には自身の「障がい」をものともしない機知や才能があったのです。
こんなエピソードがあります。
艾はどもるたちで、話すときに「艾は、艾は…」と言うのであった。晋の文王(司馬昭)がからかって言った。
「きみは、『艾は、艾は…』と言うが、いったい何人の艾がいるのかね。」
艾は答えた。
「<鳳ヤ、鳳ヤ>と言っても、もともと一羽の鳳凰ではありませんか。」
(『世説新語』言語第二)
艾は、ときの権力者・
司馬昭から吃音によりからかわれます。
しかし、『
論語』を引用して、アドリブで即座に切り返す
艾。
その切り返し方が、彼の知性や気宇壮大なさまを示してもいます。
<鳳ヤ、鳳ヤ>の「鳳」とは、引用元(『
論語』微子篇)の文意においては「
孔子」を指しています。
つまり、ただ単に「私(
艾)は、ひとりですよ」と切り返すだけでなく、自分を暗に「
孔子」のような鳳凰に比すべき大人物になぞらえているのです。
艾の「障がい」を超克する豊かな才能、魅力は、時代を超えて語り継がれています。
スポンサーサイト