前回に続き、「賊」のお話をもう少し。
「賊」の種類を数えあげたことがないので実数は不明ですが…『正史』にはホントに多くの「賊」が登場します。
前回の「黒山の賊」や、歴史の教科書にも出てくる「黄巾賊」、長江や黄河などに巣食う「河賊」etc.…大小様々多種多様。
そんな「賊」たちは必ず頭目(親分)を戴き、頭目の元で手をつけられないほどヤンチャし放題でした。
今回はこの「頭目」に、注目。
頭目の名前が、面白いんです。
頭目といっても、元は出自素性の全く知れない市井のワルモノ。
勝手気ままに「あだ名」をつけて、誇称していたのです。
…そういえば、私の友だちにもいました。
本名は「今村」のはずなのに「アイリス」、「江口」のはずが「ロンサム」とそれぞれ名乗って、自慢のバイクや原付に跨っていた奴等が…。
それはそうと、例えば「黒山の賊」頭目・張燕の別名は「張飛燕」。
スッゴクすばしっこかったから、
「飛燕」だそうです。
他にも、目がメチャクチャデカかったから「李大目」(袁紹により撃破され行方不明)。
左アゴの髭(ヒゲ)がやけに長くて目立ったから「左髭丈八」(袁紹により斬殺)…などなど。
無辜の民にとっては迷惑千万だったに違いない賊どもの、何だか愛らしい一面も見えてきませんか?