年度が変わり、会社での部署も変わり…私はまたまた心を亡くす日々が続いていますが、みなさん如何お過ごしですか?
随分ご無沙汰になりましたが、これから約3回に亘って
“背徳の貴公子”何晏
関連の記事を書いていきたいと思います。
1発目は、恒例の「仏像見立て三国志」シリーズとして、何晏を仏像に見立ててご紹介。
何晏に
クリソツ(死)の仏像は、東京都目黒区の五百羅漢寺に納められている「文殊菩薩半伽踏下像」。
この五百羅漢寺の菩薩像、世間一般的な菩薩像とは様式がいちいち異なるのが特徴です。
【ココが違う!其の壱】
ヘアスタイルが、菩薩像としては大変珍しいオールバック。
ちょっぴりドスの効いた白竜ばりのオールバック!
【ココが違う!其の弐】
厭味にならない着流しファッションと、片足を組んで書物に目を通すイカしたお姿。
とくに
一般的な菩薩像は装飾品で着飾っているものなんですが…五百羅漢寺の菩薩像は装飾品が一切排除されたまるで如来像のよう。
【ココが違う!其の参】
「半伽踏下像」は、「左足を下げて右足を組む」のが一般的な様式。
にも関わらず、五百羅漢寺の菩薩像は、どういうわけか足の組み方が逆。
【ココが違う!其の四】
そして最後に!
都会的でクールでセレブな雰囲気を像全体から漂わせながら、書物に目を通している姿自体が大変珍しいものです。
と、こんな風にいちいち特徴的な五百羅漢寺の文殊菩薩像には、三国志界でもいちいち異才を放っている何晏こそがタリピツ(死)。
後漢末の大将軍・何進の孫にして、曹操の養子という超絶稀有な家柄の貴公子。
…なのに、「五石散」という
ドラッグでバッキバキにキメては、お白粉を塗って自分の影にすらウトウトしながら街をプラプラするという、名うての道楽者。
…かと思いきや、『老子道徳論』『論語集解』(現存最古の『論語』の注釈書)など、中国4000年の歴史的にもエポックメイキングな著作や詩文を次々と発表。
中国思想界に当時も、現代でも君臨している巨魁です。
「三国志」の世界では、後世への影響力という点で養父・曹操と双璧を為すだろう人物。
パンピー(死)の尺度ではどうにも量りがたい…それが何晏の魅力でしょうか。
--【「文殊菩薩半伽踏下像」の豆知識】
東京都目黒区にある五百羅漢寺は、「目黒のらかんさん」の愛称で親しまれているお寺。
住職のセンスを窺わせるポストモダン風な建造物の中に、現存305体もの大量の羅漢さんが安置されているのには唖然。
本堂では、今回紹介した「文殊菩薩半伽踏下像」も含めた「釈迦三尊像」を中心に大勢の羅漢さん・仏像が居並び、さらにご丁寧にテープで説法が延々と流れ…それはあたかも、釈迦存命中の説法の光景のよう。
羅漢さんづくしの見仏で胸いっぱいになったら、併設されている「らかん茶屋」で一服。
らかん膳を800円でいただけば、胸もお腹もいっぱいで大満足ですよ。
↓「五百羅漢寺」の詳細はコチラで。
http://www.rakan.or.jp/index.html" TARGET="_blank">http://www.rakan.or.jp/index.html