晩上好!
7/31(日)待ちに待った「三国志シンポジウム」へ行ってきました。
今回は、三国志シンポジウム及びその後行ったOFF会の報告です。
三国志シンポジウムが行われたのは、
前回の記事にも書いた通り大東文化大の東松山キャンパス。
大学の講義室の半数くらいは埋まっていたでしょうか…学生服を着た高校生の男女から年配のかたまで、幅広い層のかたが参加されていました。
うつぶせになって居眠りをする学生を見て、久しぶりに大学時代を想い出したりしつつ、正味4時間ほど先生方の報告などを拝聴しました。
◇◆「日中韓三国の三国志」◆◇
金文京(京都大学人文科学研究所所長)
外見、語り口ともに温和な先生…という印象。
『三国志演義』『三国志平話』よりずーっと以前、三国時代当時、既にこの時代を物語として語ったものがあったという、私にとっては衝撃的な事実に、まず冒頭からガツン。
それは、軍隊の中でうたわれた「鼓吹曲」というもの。
兵士の士気を高めるなどの目的のために、自国の歴史を威勢よく、誇らかに謳いあげる軍歌だそうで…ぜひ、金先生に一節唸っていただきたかったもんです。
ちなみに『宋書』「楽志」に「鼓吹曲」に関する記載があるそうなので、機会があったら読んでみようと思います。
◇◆「三国時代の軍事制度」◆◇
石井仁(駒沢大学文学部歴史学科助教授)
漢代から六朝時代にかけての軍事制度に関する大家(…ということを、恥ずかしながら知りませんでした。無知は罪)。
今回の報告は軍事“制度”というよりも、「戦術、戦闘レベルでの実際」を想像するのに好適な内容でした。
引き合いに出されていたのは、211年の渭水の戦い(潼関の戦い)。
曹操率いる軍VS韓遂、馬超らの連合軍。
長矛をヤマアラシのように連ねる得意の陣形で、韓遂らの連合軍は自信満々、曹操軍を迎え撃ちます。
それに対して、軽装歩兵で長矛の敵主力をひきつけつつ、重装騎兵で側面・後方より敵陣を痛打し、包囲殲滅せんとする曹操軍との駆け引き。
リアル…改めて、戦闘への妄想を掻き立てられます。
先生の報告内容に対しては、各大学の研究会のかたからの質問も多く、古代ローマやヒッタイトetc.との比較論など、話題は時間・空間を駆け巡ってとても濃いものでした。
◇◆「三国志演義ができるまで」◆◇
中川諭(大東文化大学文学部中国学科助教授)
そもそも今回のシンポジウムは、大東文化大の「中国文学科」が「中国学科」に生まれ変わるという、そのことを記念したシンポジウム。
「文学」が支柱であるその特性を活かして、『正史』だけでなく『三国志演義』他白話にまつわる報告も多数なされたことが、シンポジウムとして特徴的でした。
とくに中川先生は、『正史』~『演義』成立までを丁寧にかつ要点をまとめた形で飄々と報告され、とてもわかりやすかったです。
劉備が負けるとワンワン号泣し、曹操が負けるとヤンヤヤンヤの喝采を浴びせる、宋代の子どもたち…。
三国志の芝居を見た後、興奮冷めやらぬ男が、帰宅途中に桶を発見。
天子の被る冠に見立てて桶を頭に置き「劉先主と比べてどうだ!」と叫び、不敬罪で処罰されるマヌケな話…。
そんなこんなを経て、民衆により暖められ成立していった『演義』…何だか無性にいとおしく思えてきましたよ。
◇◆「インターネットにおける三国志の世界」◆◇
和田幸司(三国志サイト-ウェッブマスター)
並み居る先生陣の中、「在野」からも和田さん登場。
和田さんは、WEB三国志界の第一人者です。
三国志にまつわるWEB上での諸活動全般は「書き込み」を中心として行われ、そのことで成果の蓄積が整理されないまま散在している現状を、喝破。
一方そのことが、幅広い三国志ファンがWEB上に逗留する構造ともなっているという…「まさに!」と膝を打つような貴重な報告をいただきました。
ブログ、
VLOG、SNSなど、WEBの潮流を踏まえて、今後WEB三国志界がどのような方向を模索していくのか…今度お会いできたら、個人的にはその辺も聞いてみたいと思いました。
◇◆パネルディスカッション◆◇
(早稲田大、学習院大、東大、大東文化大の各三国志研究会のみなさん)
午前中の先生方の報告を受けて質問をぶつける…という形で進んだ午後のパネルディスカッション。
さすが研究会のみなさんの指摘は鋭く、真剣で熱いやりとりが続きました。
…やや質問内容が専門的で、微に入り細に入りすぎたきらいはありましたが。
◇◆三国志OFF会@川越市のカラオケ店「carom」◆◇
(清岡さん、KJさん他10人)
※参加者のHNや各参加者のサイトについては
「三国志サポート掲示板」に詳細があります。
私にとっては生まれて初めて、OFF会に参加することに。
前方が見えなくなるほどの集中豪雨の中、KJさんと隼鶻さんの車に分乗させていただき、一路川越市のカラオケ店へ。
カラオケ店では一切マイクを持つこともなく、また飲み物で喉を潤すのも忘れて、ひたすら三国志談義(+記者会見風)。
英語圏での三国志、INTERNETと三国志、貴重な魏晋代の図版を舐めるように眺めては話し、果ては、高円寺に出没していたという謎のバンド「黄巾賊」の話題まで…話は尽きませんでした。
関西や愛知から参加されたかたも多数いらっしゃり、ホントに充実度高く貴重な会合でした。
是非ともまたお会いして、今度は語り明かしたい!ですね。
と、長くなりましたが報告は以上です。
今回は参加できなかったかた、またシンポジウムの開催事態をご存知でなかったかたも、全国どこかでこのような会が開かれることがあったら、是非参加してみることをオススメしますよ。
今回参加されたかたは、シンポジウムの感想や拙記事への補足をコメントにていただけると幸いです。
あと謎のバンド「黄巾賊」に関する情報も、強く求めます!!

あ、阿斗、もとい、あと、報告が1点残っていました。
学食サイコー。
大東文化大で、久々に学食で昼食をとったのですが
安い!
ボリューム満点!
私は「サービスランチ」という写真のランチを食したのですが、これで400円ですよ。
ヤバイ。
****************
以下、三国志シンポジウムについての記事のあるサイトをご紹介。
「宣和堂電網頁」さん
http://www2s.biglobe.ne.jp/~xuan-he/「三国志図書館blog」さん
http://akn.to/mt/archives/2005/08/post_28.html「孫氏三代」さん
http://cte.main.jp/sunshi/roma/「ヒヨリミ日記」さん
http://hiyorimi.exblog.jp/3222808/
AUTHOR: 三口宗
URL: http://sankousyu.fc2web.com/index.html
DATE: 08/26/2005 16:19:10
初めまして?三口宗といいます。シンポジウムに参加されていた石井助教授が駒澤大学のオープンキャンパスで講義されていました。時間が短かった分深いことには触れられていませんでしたが、参加してよかったと思います。
AUTHOR: 三口宗
URL: http://sankousyu.fc2web.com/index.html
DATE: 08/26/2005 16:19:10
初めまして?三口宗といいます。シンポジウムに参加されていた石井助教授が駒澤大学のオープンキャンパスで講義されていました。時間が短かった分深いことには触れられていませんでしたが、参加してよかったと思います。
20分といっても貴重ですよ。
やっぱりうらやましいなぁ。