今月上旬の三連休を使って、温泉&雪山遊びに行ってきました。
場所は、八ツ場ダム建設でホットな群馬県の奥深くにある川原湯温泉です。
この川原湯温泉は、はるか昔、源頼朝が狩りの最中に見つけたという伝承のある由緒ある温泉地。
私は「
山木館」という温泉宿に一泊したのですが…これがとんでもなくサイコーのお宿でした!

慶長年間に創業された由緒正しいお宿で、お部屋の調度品などにも江戸時代の残り香が随所に。
温泉もイイ感じに硫黄臭が鼻をつき、ムード満点。水車を間近に見られる露天風呂なんかもあって、快適な朝風呂もいただきました。
そして、このお宿の最もユニークなところは…宿のお庭にある立ち枯れた大木に、夜になるとムササビが2匹(モモ太とその仲間)餌を求めて飛来し、その可愛い様子を惜しげもなく見せてくれることです。
仕事上のトラブルで宿に着いたのが20:00過ぎとなりムササビとの対面を諦めかけていたのですが…食後に覗いてみると、運良くムササビを見ることができました。
いやぁ、癒されました。
と、三国志と全く関係のないただの「温泉日記」になりかけていますが…ココからです。
翌日は朝から、凍結のため車が駐車場の坂を上れない…というアクシデントに見舞われ&克服しつつ、草津国際スキー場へ。
日本初のスキーリフトが営業したのは、このスキー場らしいですよ、老舗ですねぇ(関係ないですが…スキー場には「殺生クワッドリフト」というゾクッとする名前のリフトもあります)。
スキー場に向かって国道145号線をブーッと走っていると、JR東日本吾妻線の川原湯温泉駅から少し行ったあたりでナビ上に気になる文字を発見。
「…臥龍岩??」
あまりに唐突でうっかり過ぎてしまったため、Uターンしてナビ上で表示されているポイントへ戻ることに。
「臥龍」なんて文字を目にしたら居ても立ってもいられないですよね…まさか八ツ場で諸葛亮に出くわそうとは!

道路脇に車を停めて、「臥龍岩」なるものがあるらしい場所にテクテクと…するとたしかに「臥龍岩」を紹介している掲示板(?)がありました。
この「臥龍岩」、なんと国の天然記念物だそうです。
正式名称は「
川原湯岩脈(臥龍岩および昇龍岩)」といって、1934年12月に指定を受けています。
ちょっと調べてみたところ…地層や岩石の割れ目にマグマが貫入して固まったものを「岩脈」と呼び、さらに、それが地層面にほぼ平行に貫入したものは「岩床」と呼ぶそうです。
「臥龍岩」は約230万年前にできたものらしく…相当古いものですね。

その独特な柱状の模様が龍の背中に見えることから、川を横断して地を這うように横たわっている方を「臥龍岩」、一方、断崖を駆け登るようにそびえている方を「昇龍岩」と名付けたそうです。
地面に平行&垂直な二様の岩脈をセットで捉えた、センスのいいネーミングですね。
三国志と八つ場がこんな素敵でサプライズな出会いを用意してくれていようとは。
多謝!!
…ただ、喜んでばかりもいられないということに、すぐ思い当たりました。
そう、ここは八ツ場なんです。

「山木館」も「臥龍岩」も、みーんな八ツ場ダムができてしまうと水没するエリアに位置しています。
TVの向こうの他人事のような出来事が、一気に身近な関心事に変わりました。
八ツ場ダム建設はいろんな人々によるいろんな解釈があり、何よりもそこで生活する人々の生活や人生に多大な影響を及ぼしている問題なので、軽々しいことは言えませんが…素敵な温泉や人々に触れたり、三国志に所縁のある「臥龍岩」を目の当たりにしてしまうと、私的感情として賛成したくなくなりました。
「山木館」の女将さんのお話だと、来年も今の場所で営業しているかどうかはわからない…ということ(移転地での営業継続の可能性はあり)。
みなさんも機会があったらば、ぜひ一度、今のうちに、川原湯温泉、八ツ場を訪れてみてはいかがでしょうか?
そして、臥龍=諸葛亮にも会ってきてください。
深い深いダムの底に沈み、臥龍が永遠に昇天できなくなる、その前に。
[参考]文科省の国指定文化財等データベース
http://www.bunka.go.jp/bsys/index.asp※臥龍岩、で検索してみてください。
三国志と絡めて、(我々にとって)親しみやすい記事に仕上げて頂いて
ありがとうございます。
実際に現地に行ってみて体感を得る事って、
政治問題を考える際にもやっぱり大事だよな~と思いました。