みなさん、こんばんは。
毎週日曜日9:30-10:00『
最強武将伝 三国演義』を観ていますか?
私は鬼のように録りためてしまっており…ようやく第11話「英雄の資格」(6/13放送分)を今週観終わったところです。
この11話では、許田の巻狩や「君と余だ!」な英雄論のエピソードが展開されました。
他にも
張飛による夏侯氏略奪話をもじった、「夏侯蓮」という女性との淡い恋の物語なども見せ場のひとつでした。
で、そんな中で気になってしまったのは、
劉備が鍬で土を耕しながら交わした以下の会話。
兵士「仰せの通りに、異国の商人からほうれん草の種を買ってまいりました」
劉備「関羽、張飛、このほうれん草がどういう野菜なのか知っているか?」
張飛「知らない」
劉備「ほうれん草というのはな、漢の張騫が西域に行ったときペルシャから持ち帰ったものだ。栄養が豊富な野菜で、便秘にも効果があるんだぞ」
張飛「俺の自慢は、快食快便だ!」
劉関張「あっはっは」
張飛の「快食快便」など知ったこっちゃないですが、ほうれん草って三国志な時代から食されていたんだぁ…と、軽い眠気が晴れる程度にハッとしたわけです。
「緑黄色野菜の王様」とも称されるほうれん草。
昨年の冬、市から借りていた畑でほうれん草を栽培しました。

ほうれん草の種は「マキビシ」みたいな形でとてもユニーク。
残留農薬の濃度が高いことで中国産ほうれん草が一時期話題になりましたが、自分で作った国産ほうれん草だったら安心してたくさん喰べられます。
劉備が私と同じくほうれん草の種を撒き育て食した、約1800年のときを超えてシンクロしたその行動にちょっとした感動を覚えました。
が、やっぱり鵜呑みにせずちょっと調べてみようと思って、『漢書』の張騫伝や西域伝、『斉民要術』を当たってみたのですが、ほうれん草の記事が見当たりません。
ネットで検索してみると『
非常識講師の語源散歩』というWEBサイトで貴重な情報を得ることができました。
『唐会要』に次ぐ、ほうれん草についての古い記述が『劉賓客嘉話録』にあります。『劉賓客嘉話録』は唐の韋絢が劉禹錫の言葉を記録した書物です。その中で次のように書いています。
「野菜の菠稜はもともと西域のある僧がそのたねを持ってきたものだ。それはウマゴヤシやブドウが張騫によって伝わったのと同じようなことである。わたくし韋絢は、頗稜国からもたらされたときに、言葉が訛って菠稜になったのではないかと思う」(菜之菠稜、本西国中有僧将其子来、如苜蓿葡萄因張騫而至也、絢曰、豈非頗稜国将来時、語訛為菠稜耶)。
つまり、ほうれん草は張騫が持ち帰ったのではなく、張騫によってブドウが伝わったように、西域のある僧がいつかはわかりませんが「頗稜国」という場所から種を持ってきた…ということですね。
『三国演義』の
劉備による会心のトリビアは「ブブー!」不正解…かもしれません。
ほうれん草情報お持ちのかたは、ぜひお知らせください。
それでは、また。
最近ほうれん草を食べてないので、食べたくなりました。
栄養も豊富ですしね。
頭脳を武器とする軍師だって、馬に乗り行軍に耐えたりしているわけで、現代の人間よりずっと肉体的にタフだったような気がします。