『正史』では、三国時代を駆け抜けた数多くの人物が「列伝」という形式で記述されています。
ホント沢山の人物が登場するんですが…1番最初と1番最後の列伝は、一体誰のものでしょう?
1番最初は大体想像できると思いますが…そうです、
曹操です。
三国時代を形成する魏呉蜀のうち最大勢力であり、かつ後漢→魏→西晋という正統系政権のひとつである魏の建国に最も影響力のあった人物だから、当然と言えば当然。
それでは、1番最後は誰かというと…ジャジャン!華覈です!!
…?華…覈?あなた誰??
そもそも読めないし、漢字。
華覈は「かかく」と読み、呉末期の文官…という人です。
彼はとっても恵まれない、
幸薄げな人だったようで、例えば…
★文庫にして約8Pにも及ぶ長ったらしい上表文を、ときの皇帝・孫皓に意気揚揚と上奏。にも関わらず、「孫皓はその意見を聞き入れなかった」という、たった16文字で片付けられる。
★めげない華覈。生涯を通じて、100以上にのぼる上表文を立て続けに上奏。しかし、「最後は“小さなこと”で譴責を受けて官を免ぜられ、それから数年ののちに死亡した」。
…嗚呼、
哀愁でいと。
血湧き肉踊る英雄叙事詩たる『正史三国志』の最後は、何だかちょっぴり物悲しく幕を閉じるのでした。