前回の「裏切り者」麋芳、傅士仁の続きです。
『正史』著者の陳寿は、史家として、時空を超える「筆」の力で裏切り者に無限の報いを与えました。
報いの場は、『正史・蜀書』の最後に掲載する「季漢輔臣賛」。
もともと蜀臣・楊戯が著した書物ですが、内容は蜀に仕えた文官・武官を「賛(賞賛する文体)」というスタイルで簡潔に評するもの。
この「賛」の終わりに、麋芳、傅士仁他、荊州失陥に繋がる裏切り者も紹介されているのですが…彼らの名前だけは「官職」や「字」で記さず、「諱(名)」で記述しています。
例えば「諸葛亮」なら「諸葛丞相」、「関羽」なら「関雲長」と記述し敬意を表しているのですが、「麋芳」は「麋子方」と記さず、ただ「麋芳」とだけ記しているということです。
中国、少なくとも三国時代では、人を呼ぶときは「名」でなく「字」を使うのが礼儀…であったそうです。
つ・ま・り、「賛」という皮肉な舞台において、さらに敢えて礼儀に反する記述をすることで、麋芳、傅士仁らの裏切り行為を、簡潔にかつ最大限に侮辱しているということです。
これこそ、「筆」の力。
陳寿の『正史』における記述は簡潔過ぎて面白みがない…などの批判もあります。
しかし、私は彼の虚飾を廃した簡潔な文章に史家としての自負を感じるとともに、1字1字へのこだわりによって巧みな表現を編み出す文才にも敬意を表するのです。
AUTHOR: わんこ
DATE: 01/10/2004 01:01:48
はじめまして!
三国志好きなんで立ち寄らせてもらいました~。
しかし、正史と演義の区別がイマイチわからないおいら・・・
AUTHOR: わんこ
DATE: 01/10/2004 01:01:48
はじめまして!
三国志好きなんで立ち寄らせてもらいました~。
しかし、正史と演義の区別がイマイチわからないおいら・・・
イイなぁ。
行きたいなぁ。
今年は、まだ1回も行ってないんですよね…。
雪、イイですか?